
市民農園など自宅から少し離れた場所にある畑で野菜作りを楽しんでいると、「昨日の大雨で畑の苗が倒れてしまっていないだろうか」「強い日差しが続いているけれど、土が乾きすぎて萎れていないかな」と、ふと様子が気になってソワソワしてしまうことはありませんか?
様子を少し確認したいだけなのに、そのためだけにわざわざ着替えて移動するのは時間的にも体力的にも少し億劫に感じてしまう日があります。そこで私は、「自宅にいながらスマートフォンで畑のリアルタイムな様子を確認できる環境」を整えてみることにしました。
今回は、私が実際に畑へ導入した「畑の遠隔モニターシステム」の全体像をはじめ、実際に運用してみて実感した楽しさやメリット、そして導入時にあらかじめ知っておきたいリスクや注意点について詳しくお話しします。市民農園や離れた農地を活用されている皆さんの参考になれば嬉しいです。
畑の様子をスマホでチェック!自作した遠隔モニターの仕組み
電源も固定のインターネット回線もない屋外の畑でカメラを動かすと聞くと、配線や設定がとても難しそうに感じられるかもしれません。しかし、市販されている手頃な機器を組み合わせることで、思っていたよりも手軽に遠隔監視の環境を作ることができました。
私が構築したシステムの構成は非常にシンプルで、主に以下の3つのアイテムで成り立っています。
- 屋外設置に対応した防犯カメラ(省電力仕様のもの)
- 格安SIMカードを挿したモバイルWi-Fiルーター
- 電源を安定供給するための外部バッテリー(ソーラー充電や大容量バッテリー)
導入にかかった初期費用は機器類を一式揃えて約4万円ほどと、最初の出費としては少々まとまった金額になりましたが、運用にかかる月々の通信費は日本通信の格安SIMの1GBプラン(シンプル290)を活用しているため、月額290円と非常にリーズナブルに抑えられています。
ただ、何分も動画でモニターするとあっという間に1GBを使ってしまうので、もっぱら写真を撮って、後で写真を細かく見るようにしています。もし、カメラに記録された動画を見たい場合は、畑で動画を見たり、ダウンロードすることでモバイル通信を使わずに済みます。私の場合、1日に1~2回見る程度なので、ほぼ毎月1GB以内に収まっています。もし、1GBをオーバーしても+220円で自動で+1GB増やせます。
また、ミニバンクラスの車のバッテリーを外部電源として使用し、日中はソーラーパネルで充電した場合、概ね2~4週間程度はバッテリーの入れ替えをしないで使えます。ただ、このクラスのバッテリーは重量(私のは18kg)があるので、軽い物が良いという方は新品の鉛バッテリーかリン酸鉄リチウムバッテリーを使うと良いと思います。
「ちょっと様子を見に行くだけ」の移動時間やガソリン代、そして何より「気になって落ち着かない時間」を解消できることを考えると、私にとっては十分に価値のある投資になりました。自宅のリビングや外出先からでも、アプリを開くだけで手のひらの中に畑の様子がパッと映し出される快適さは格別です。

定点観測が想像以上に面白い!野菜の劇的な成長と日々の変化
このシステムを導入して日々の生活がどのように変わったかというと、何気ない「定点観測」が想像以上に楽しく、日課の大きな楽しみになりました。
定期的に畑へ通っていても、毎日の変化はどこか緩やかに感じられるものです。しかし、完全に同じアングルから撮影された写真を交互に切り替えて見比べてみると、植物の成長スピードの速さに驚かされます。特にまとまった雨が降った翌日などは、前日と比べて明らかに葉が大きく広がり、茎がグンと伸びている様子が一目瞭然です。
「昨日と今日でこんなに違うんだ!」という劇的な変化を手元の画面で視覚的に捉えられるのは、野菜作りをしていてとても大きな喜びです。また、強風で支柱が傾いていないか、マルチシートが風でめくれていないかといった畑のトラブルの兆候も、定点観測を続けることで素早く察知できるようになりました。
夜間の害獣チェックと防犯効果、そして導入時の注意点
遠隔カメラのもう一つの実用的なメリットが、防犯カメラに標準搭載されている「動体検知(侵入者自動検知)機能」です。カメラの前を動くものが横切ると自動で録画が開始され、スマートフォンに通知が届きます。
私の畑でも実際に検知ログを確認してみたところ、夜間に猫が通り抜けていく姿がしっかりと記録されていました。赤外線暗視で白黒映像ですが、畑全体を写した映像の中でその様子を十分確認できます。もしイノシシやハクビシン、タヌキなどの害獣被害に悩まされている地域であれば、「どの時間帯に、どこから侵入しているのか」を正確に特定するための貴重な手がかりになるはずです。
ただし、このシステムを導入するにあたっては、いくつかのデメリットやリスクも考慮しておく必要があります。
まず最も気を配るべきなのは、市民農園など共有スペースにおける「周囲の利用者への配慮」です。敷地内に防犯カメラがあると、周囲の方に「監視されているのではないか」と余計な緊張感や不快感を与えてしまうリスクがあります。
そのため、私はスマートフォンから遠隔で向きを変えられるパン・チルト(首振り)機能付きのカメラ(バッテリー消費も激しい)は避け、画角を固定した「定点カメラ」を採用しました。あらかじめ自分の区画の畝が主に映るように角度を調整し、周囲の通路や他の利用者の区画ができるだけ映り込まないようにしています。
もちろん、防犯カメラが存在すること自体がいたずらや野菜の盗難を防ぐ抑止力になるという利点はありますが、周囲との良好な関係を保つためにも丁寧な画角調整や事前の配慮は欠かせません。実際のところは、市民農園の利用者からカメラのことを聞かれたことはなく、皆さん、余り気にしていないようでした。このあたりは人によると思います。
さらに、屋外特有の夏の高温や直射日光によるバッテリーの劣化、大雨時の防水性、山間部などでモバイル回線が不安定になる可能性といった物理的な維持管理リスクも踏まえておく必要があります。
まとめ
離れた場所にある畑の様子を、いつでもどこでも手軽に確認できる遠隔モニターシステム。初期費用の工面や設置場所への気配りといった検討事項はあるものの、日々の安心感と野菜作りの観察の楽しさは格段に向上しました。
「遠くの畑の様子がいつも気になって仕方がない」「定点観測で野菜の成長過程をじっくり楽しみたい」という方は、選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。
次回は、私が実際に選んだ具体的な機材リストや、電源のない畑での組み立て・設置方法について詳しくご紹介します。



