月290円〜!スマホで遠隔モニターシステム自作

前回の記事では、離れた場所から畑の様子を見守ることができる「畑の遠隔モニターシステム」の概要をご紹介しました。

今回はその続編として、電源や固定回線がない屋外でも安定して動く、カメラ&モバイルWifiシステムの具体的な作り方や設置の工夫について詳しくご紹介します。

「電源のない畑にカメラを設置する」と聞くと難しそうに思えるかもしれませんが、身近なパーツや中古機器を組み合わせれば、専門知識がなくても十分に自作できます。この記事では、私が実際に試行錯誤しながら構築したシステム構成、配線、現場での設置手順を分かりやすくまとめました。家庭菜園の管理や防犯対策のヒントとして、皆さんの参考になれば嬉しいです。

目次

システムの全体像と主要なパーツ構成

今回構築したシステムは、大きく「電源部」「通信部」「カメラ部」の3つで構成されています。全体の心臓部となる電源は、ソーラーパネルとバッテリー、そして充電を制御するソーラー充電コントローラーを組み合わせています。充電コントローラーのUSBポートから、モバイルWifiと防犯カメラへ給電するシンプルな仕組みです。

使用している主なパーツは以下の通りです。

用意するもの解説
防犯カメラ(¥9,800)
Tapo C410。
防犯カメラは、バッテリー駆動の屋外タイプを選びます。パン・チルトができるタイプは、バッテリー消費が激しく、設置に向きません。
収納BOX(¥3,080)
バッテリー、モバイルWifi、充電コントローラー収納用。盗難防止用の鍵付きです。
15Wソーラーパネル(¥4,480)
バッテリーをフル充電することはできませんが、大きすぎないこのサイズを選びました。バッテリー交換間隔を伸ばすのに使います。私のケースでは、1週間の交換間隔が2週間に伸びました。
ソーラー充電コントローラー (¥1,580)
怪しい中華製ですが、2年たった今も使えています。鉛バッテリー、リン酸鉄リチウムバッテリーの充電に対応し、過充電・過放電を防ぎます。USB端子から各機器へ5V給電し、電圧表示でバッテリー残量が一目で確認できます。
モバイルWifi(中古)
ヤフオク等で中古の安いもの(SIMフリー版)を調達します。私は、HuaweiのW04を使っています。
日本通信のSIM(シンプル290プラン)
スターターパック(¥2,420)
これ以上安い格安SIMはないので、これ一択です。1GBで290円/月。1GBを超えるごとに+220円で1GBの容量が追加されます。最大の容量を指定することも可能です。最大容量を超えると、低速通信になり、遠隔モニターは事実上できなくなります。
φ48.6 単管パイプ 2.5m(¥1,680)
マルチジョイント(¥1,540)
 
マルチジョイントは少し価格が高いですが、ガタツキが少ないです。安いジョイントはガタが大きいので、カメラブレが起きやすくなります。
車用鉛バッテリー(2個)
バッテリーターミナル (2個)(¥1,013)
バッテリーターミナルは、お使いのバッテリー端子径にあったサイズのものを購入します。
バッテリー充電器 (¥7,996)
自宅での充電用。(鉛バッテリーの場合)
DC電源延長ケーブル(2本)(¥699)
途中で切断して、被覆を剥き、バッテリーターミナルと充電コントローラーに接続します。バッテリー側にオス端子、コントローラー側にメス端子を取り付けます。
USBケーブル 5m (¥1,099)
防犯カメラの外部電源接続用。カメラに付属のケーブルは短くて長さが足りません。屋外対応のものにします。

バッテリー運用の工夫と電源確保のポイント

屋外の独立電源で一番の課題となるのがバッテリーです。新品のポータブル電源などは高価なため、私は「自家用車で2年ほど使用して早めに交換した鉛バッテリー」を再利用しています。15Wソーラーパネルとの併用で、天候にもよりますが約2週間は無充電で稼働します。

ただし、車用バッテリーには「約18kg(私の場合)と非常に重い」というデメリットがあります。持ち運びや交換作業に体力が必要となるため、軽さを優先したい場合は小型の新品鉛バッテリーやリン酸鉄リチウム電池を選ぶ手もありますが、初期費用が大きく跳ね上がります。

また、雨天が続いた場合に備えて定期的に自宅へ持ち帰って充電器で充電するため、バッテリーは2個用意してローテーション運用しています。交換時にカメラの電源が切れないよう、2個を並列接続できる配線にしておき、「充電済みのバッテリーを先に繋いでから古い方を外す」という手順で無瞬断交換を行っています。

格安SIMと中古ルーターで構築する常時通信環境

通信環境には、ヤフオク等で数千円で手に入る中古のSIMフリーモバイルWifi(W04など)を使用しています。カメラからこのモバイルWifiに繋げてインターネットに接続します。この環境で、旧型モデルでも動画や静止画の確認には十分な速度が出ます。

SIMカードは月額290円(1GBまで)から使える「日本通信SIM」を採用しました。1日の確認回数を絞れば通信費を最小限に抑えられます。ただし、上限データ量を超えると低速制限がかかり遠隔モニターができなくなるため、マイページで適切な上限設定をしておくのが安心です。

ルーターの設定における重要なポイントは「省電力(スリープ)モードをオフにする」ことです。通常は無通信時にスリープへ移行しますが、それだとスマホからの再接続に時間がかかってしまいます。独立電源から常時給電しているため、スリープを解除しておくことで、アプリを開いた瞬間にすぐ畑の映像を確認できます。

設置手順と長持ちさせるDIYの工夫

ここからは、具体的な設置手順を、屋外で長期間安定稼働させるためのポイントとあわせてご紹介します。STEP1~3までは事前に自宅で作っておいて、STEP4から現地で作業を行います。

STEP
部品の加工

①2.5m単管パイプを「地中用(1m)」と「地上用(1.5m)」に切断します。
②カメラブラケットを地上用の単管パイプの先端へ固定します。防犯カメラの取り付けブラケットは3点留めですが、単管パイプには2点留め(1点は使用しない)で取り付けます。
③ソーラーパネルが約30度の傾きになるよう、パネルの土台を作っておきます。

STEP
配線の準備

①DC延長ケーブルを途中で切断し、被覆を剥きます。
②バッテリーターミナルをバッテリーに取付けます。
③切断したDC延長ケーブルのオス端子側をターミナルにつなげます。
屋外の悪環境で過電流の可能性がゼロとは言えませんので、安全のためプラス側の電線に2〜3A程度(ケーブルの許容電流以下)のヒューズを入れて下さい。

STEP
収納BOXの穴あけ

①防犯カメラのUSBケーブルとソーラーパネルのケーブルを通す穴をBOXの側面上部に開けます。
②通気用の穴(φ2mm)をBOXの側面上部(雨水が入り込まない位置)に開けます。

STEP
カメラ取り付け柱(単管パイプ)の設置

①カメラ柱の設置位置に、深さ30cmぐらいの穴を掘ります。
②水準器で垂直を確認しながら、50cmぐらいの深さまでパイプを打ち込みます。
③マルチジョイントを使ってカメラ側のパイプを取付けます。
④パイプ先端には専用のキャップを付けて雨水やサビを防ぎます。

STEP
収納BOXの設置

①BOXを設置する場所をBOXの半分の高さ分、掘ります。
②BOXの水平を確認してから、BOX周りの隙間を土で埋めます。
収納BOXは「半埋設」にすることで夏の猛暑時でもBOX内の温度上昇を和らげられます。

STEP
機器の設置

①配線を通します。
②機器(バッテリー、充電コントローラー、モバイルWifi、ソーラーパネル)を設置します。
③下図のように、機器間を配線します。バッテリーを交換する際に2つのバッテリーを同時に接続するため、2本のDC延長ケーブル(メス側)を充電コントローラーに繋ぎます。

STEP
機器の動作確認

①機器が正常に動作するか、確認します。
②カメラをブラケットに仮固定します。
③スマホで画像を確認しながら、カメラの向きを決め、固定します。
④収納BOXの側面に開けた配線穴をコーキング材でしっかり防水します。


これで、多少のDIY作業やバッテリー運搬の手間はあるものの、市販の完成品システムに比べて圧倒的に低コストで遠隔モニター環境を構築できます。ご自身の環境に合わせてアレンジしながら、ぜひ挑戦してみてください。

⚠️ 免責事項および安全上のご注意
(必ずお読みください)

本記事で紹介している「遠隔モニターシステム」の構築・運用は、筆者個人のDIYおよび実験の記録であり、その動作や安全性を保証するものではありません。

特に、自動車用バッテリーやソーラーパネルを用いた自作の電源システムは、配線の不備や雨水・異物の混入によるショート(短絡)、モバイルWifiのバッテリー劣化が発生した場合、発熱・発火・火災・バッテリーの破裂など、重大な人身事故や物損事故を引き起こす危険性があります。

実際にシステムを構築される際は、すべてご自身の自己責任において作業を行ってください。本記事に掲載された情報、およびそれに基づき構築されたシステムによって発生した、いかなる直接的・間接的な損害(火災、機器の破損、怪我、近隣へのトラブル、通信費用の損害等)についても、当ブログおよび管理者は一切の責任を負いません。

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