📒マイクロ法人設立~運営|⑧特定月の各種届出

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マイクロ法人は、届出が少なく、記入も簡単

決算を除けば、特定月に提出する届出は、上の表の通りです。1月と7月に集中していますが、たったこれだけです。期限が多少違いますが、通常、1月に出す分は1/20までに、7月に出す分は7/10までにまとめて届出します。

しかも、マイクロ法人の場合、届出内容はほとんど同じなので、一度、届出をしてしまえば、毎年、日付や金額のところをちょっと修正すれば、お終いです。

また、マイクロ法人の場合、役員報酬を月額 88,000円未満に設定するので、源泉所得税はゼロになります。したがって、実際に源泉所得税を納付することはありません。

さらに、償却資産を持っていなければ、会社設立後の最初の1月に償却資産申告書を届出するだけで終わりです。その後は、償却資産の変更がない限り届出は不要です。私の場合も、償却資産がないので、最初に提出しただけです。

役員報酬の支払は月末にする

役員報酬を翌月払いにすると、1月は、所得税徴収高計算書の一般と納期特例分2つを出さないといけなくなるので、面倒です。納期特例分だけで済ませるために、役員報酬は、当月末締め、当月末払いにします。

SBI銀行の場合、法人口座から個人口座へ役員報酬を振込む日を毎月月末に指定(自動振込)できるので、月末が30日か31日かを気にする必要がありません。さらに、SBI銀行間であれば、休日でも振込されるので、一度設定してしまえば、後は放置でOKです。

「源泉徴収簿」を先に完成させる

源泉徴収簿は、税務署に提出する義務はありませんが、7年間の保存義務がある書類です。毎年1月に前年分と今年分の2つの源泉徴収簿を作成します。入力用のPDFが国税庁のホームページでダウンロードできるので、それに必要事項を記入します。

源泉徴収簿の記入前に、まずはExcelで、合計金額に間違いがないかを確認してから、転記するようにしましょう。

提出が令和7年1月であれば、令和6年度と令和7年度の源泉徴収簿を作成します。下記の記入例では、令和6年の3月から社会保険料の料金が改定されたので、1~2月と3月以降で金額が異なることに注意して下さい。また、役員報酬を変更するときも社会保険料が変わる可能性があります。

本来、源泉徴収簿は毎月記入すべきものですが、私のようなマイクロ法人の場合、ほとんど変更はないので、当年分は予定で書いておき、変更があった時に修正すれば良いと思います。もしやるとすると、7月の所得税徴収高計算書を提出する時に確認するぐらいですね。

私の場合、年末調整で扶養控除、保険料控除を申請しないので、必要項目以外は空欄またはゼロでOKです。ほとんどが空欄で済むので作成も簡単です。

源泉徴収簿の記入例

所得税徴収高計算書(e-Tax)

所得税徴収高計算書は、「納付税額0円」でも必ず提出しないといけません。役員報酬を月額88,000円未満にしていて源泉所得税が「0円」であっても、「今期の税額は0円です」という報告(所得税徴収高計算書)の提出義務があります。

手順としては、e-Taxにログインして、「申請・納付手続き」→「新規作成」→「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(納期特例分)」→提出先税務署の指定 に進みます。

記入内容はとても簡単で、下記のように記入すれば、OKです。人員は、延べ人数(1名✕6ヶ月分)で記入します。後は、内容確認して送信すればOKです。たった、これだけ?という位、あっという間に終わります。

所得税徴収高計算書の記入例

給与支払報告書・法定調書合計表・償却資産申告書(eLTAX)

1月に出す「給与支払報告書」は、役員の来年度(6月以降)の住民税額を決定する基礎データになります。法定調書合計表は、会社が1年間に支払った給与や報酬の総額を報告する「表紙」のような書類です。

手順としては、PCdeskを起動して、ログインし、「申告に関する手続き」→「申告データの作成」→「個人住民税」→「給与支払報告書・源泉徴収票及び合計表」にチェック に進みます。

入力画面の一番上の作成区分が「地方税・国税」になっていることを確認します。これで、給与支払報告書と法定調書合計表が一緒に作成できるようになります。なお、冒頭の表の中で、法定調書合計表がe-Taxでの届出となっていますが、実際には、eLTAXで税務署にも同じデータが送られます。

申告書に指定番号という欄があるので、設立時に郵送されてきた「特別徴収義務者指定通知書」の一番上に記載されている指定番号を記入します。自治体によっては、使用しないかもしれません。

所得控除の額の合計額には基礎控除額(年末調整の基礎控除申告書で該当する金額)と社会保険料との合計とします。中段の基礎控除額も記入します。後の記事で解説しますが、年末調整は実施する(会社での税金は確定する)ので、給与支払報告書の摘要欄には、「年調未済」とは書きません。空欄のままにします。(2026/1/13訂正)

マイクロ法人の場合、手間を少なくするため、法人が特別徴収義務者であっても、住民税は普通徴収にします。そのためには、給与支払報告書の摘要欄に普通徴収理由として、「普A」と記入します。これは、総従業員数が2人以下という理由の符号です。また、右下の「☑普通徴収」にもチェックします。(2026/1/13追記)

「次へ」→「合計表の入力」→「保存」→「次へ」で申告データが作成されますので、「保存」ボタンを押して、「チェック」を行い、内容を確認します。別表も合わせて確認して下さい。

マイナンバーカードで署名をして、データ送信をしたら、「印刷」で送信結果を保存しておきます。メイン画面に戻って、「申告データの照会・編集」→送信した手続きを選択→「照会・編集」→「印刷」→「本表・別表」を選択して、控えとして取っておきます。

給与支払報告書の記入例
法定調書合計表の記入例

償却資産については、私の場合、償却資産は持っていませんので、償却資産はなし(無記入)として申告します。

手順としては、PCdeskを起動して、ログインし、「申告に関する手続き」→「申告データの作成」→「固定資産税」→「増加資産/減少資産申告」→申請者情報登録で必要事項を記入→「🔘手入力による作成」「年度」「提出年月日」「☑増加資産・減少資産が…チェックしてください。」→「決定」→提出先を選択→編集を行う→署名をしてデータ送信

償却資産申告書の記入例

算定基礎届(e-Gov)

算定基礎届は、社会保険料(健康保険・厚生年金)の金額を更新するための手続きです。正式名称は「被保険者報酬月額算定基礎届」といいます。

毎年、「4月・5月・6月」に支払った役員報酬の平均額をベースに計算しますが、私の場合、毎月1.5万円で固定ですから、毎年書く内容は同じです。日付だけ変えればOKです。これも、簡単ですね。

手順としては、e-Govにログインし、「手続検索」→算定基礎届で検索→該当する算定基礎届を選択→「申請書入力へ」

記入例を参考に、各データを入力します。事業所整理記号は、年金事務所から郵送された「健康保険・厚生年金保健資格取得確認および標準報酬決定通知書」に書いてあります。最初の欄には、都道府県コードの番号を記入します。

最後に提出先の年金事務所を指定して、申請すればOKです。なお、今回検索した手続きは、次回以降も使うので、ブックマークしておくと良いです。

算定基礎届の記入例

なお、普通、マイクロ法人の場合は、役員のみですから、「労働保険」は関係ありません。e-Govのメニューには「労働保険(雇用保険・労災保険)」の項目もたくさん出てきますが、基本的に労働保険は対象外です。間違えて申請しないように注意してください。

また、各種申告書の様式には、従業員がたくさんいる会社向けの記入欄(例:退職手当、乙欄の給与など)が多数あります。マイクロ法人では使わない欄がほとんどですので、自信を持って「空欄(または0円)」のまま提出してください。

※このスキームには前提があります。「はじめに」も合わせてお読み下さい。

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