セミリタイア生活にリズムを。|記録で過去を振り返る。

セミリタイア生活を始めてからしばらく経ちますが、自由な時間が増えた一方で、ふと「あれ? 昨日って何やったっけ?」「今日はこれから何をしようかな?」と立ち止まってしまうことがよくあります。

会社勤めの頃は、毎朝決まった時間に起きて会社に行き、決められた業務をこなすという、いわば「会社が作ってくれたリズム」の中で生きていました。平日にいくら疲れていても、あるいは週末にどれだけダラダラと過ごしてしまっても、月曜日になれば強制的に生活がリセットされていたんですよね。

しかし、セミリタイア生活にはその強制力がありません。自由であるということは、裏を返せば「自分で自分をコントロールしなければならない」ということでもあります。よほど強い意志を持っていないと、人間はついつい楽な方へと流されてしまう弱い生き物です。気分に任せて毎日を過ごしていると、生活のリズムはあっという間に崩れてしまいます。

以前、退職後の落とし穴についての記事でも少し触れましたが、やはり「自由すぎる」というのも、なかなか一筋縄ではいかない問題です。

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生活を「強制リセット」する仕組みづくり

そこで私は、日々の生活の中にいくつかの「強制リセットの手段」を取り入れるようにしました。自分ひとりの意志に頼るのではなく、自然と体が動くような仕組みを作ってしまう作戦です。

たとえば、私の場合はアルバイトを入れています。あらかじめシフトがスケジュールとして決まっているため、会社員時代と同じように、その日は嫌でも生活リズムがピシッと整います。

また、デイトレードも良いリセット役になっています。平日の毎朝9:00に市場がオープンするので、逆算して8:30くらいからはパソコンの前で準備を始めます。このおかげで、平日の朝のルーチンをだらけずに開始することができています。

さらに、日常の小さなお役目として「朝食は自分が作る」というルールを敢えて設けています。毎日の目標は6:00に起床し、6:30に朝食をとること。日によって少しずれて7:00になってしまうこともありますが、どんなに遅くても8:00までには朝食を済ませるようにしています。「自分が動かないと朝ご飯が始まらない」という状況を作ることで、朝起きるモチベーションに繋がっています。

こうしたいくつかの強制リセットのおかげで、一日中ダラダラと怠惰に過ごしてしまうことはほぼ無くなりました。毎日それなりに充実した時間を過ごせるようになって、一安心していたのですが…。ここでまた、新たな問題に気がついたのです。

あっという間に過ぎ去る日々と、記憶の曖昧さ

怠惰な日々は脱出したものの、ふと「ここ数ヶ月、自分はどういう風に毎日を過ごしてきたっけ?」と振り返ったとき、驚くほど細かいことを思い出せない自分に気づきました。旅行に行ったとか、大きな買い物をしたといった一大イベントは覚えているのですが、何気ない日常のコマ切れの時間は、すっかり記憶の彼方に消え去ってしまっていたのです。

このままだと、知らない間に数年をあっという間に過ごしてしまいそうな、そんな一種の強迫観念のような焦りを覚えるようになりました。人間の記憶というのは本当に曖昧で、都合よく忘れてしまうものなのだなと痛感します。

そこで、まずは自分の1日の行動をしっかり「記録」として残してみようと思い立ちました。ただ、いざ記録を始めようとしても、これがなかなか一筋縄ではいきません。過去にも、色々なToDo管理アプリやスケジュールアプリを試して来たのですが、一覧性が悪かったり、入力が面倒だったりして、どうしても長続きしませんでした。

高機能なアプリほど、マメではない自分にはハードルが高かったようです。試行錯誤の末にたどり着いたのが、使い慣れたExcelを使って、シンプルに自分だけの記録シートを作ることでした。

Excelを使った、ゆるやかな「見える化」ライフ

私が現在行っているExcelでの記録方法は、とても単純です。シートに30分間隔のセルを作っておき、そこに実際に何を行ったかを記入していくだけです。もし事前に決まっている予定があれば、あらかじめその時間帯のセルに予定を書き込んでおきます。また、すぐに記録できるよう、このExcelシートはノートパソコン上で立ち上げっぱなしにしておきます。

そして、この記録の最大の特徴は「色分けによる見える化」です。文字だけが並んでいるとパッと見で分かりづらいので、大まかな分類ごとにセルの背景色を変えています。たとえば、食事や入浴、毎日の筋トレなどは「緑」、仕事関係は「ピンク」、読書や勉強などの自己啓発は「オレンジ」、趣味の農作業は「水色」といった具合です。こうすると、1日が終わったときに「今日はピンクが多いから仕事を頑張ったな」「オレンジが少ないから、明日はもう少し本を読もう」と、自分の時間の使い方が一目で分かります。

さらに、1日の標準的な予定をテンプレート列として作成し、簡単なマクロも組み込んで、ショートカットキーひとつで今日の日付列に予定を新規挿入できるようにしています。入力の手間を極限まで減らしているので、記録が本当に楽です。また、Excelは、行の入れ替えやスケジュールのドラッグ&ドロップ、コピペ、検索・置換がとにかく簡単な点が良いですね。

他に、シート内には「ToDo欄」も設けて、やるべきことを優先度順に上から並べています。あわせて、簡易的な日記欄も作りました。これは「毎日絶対に書く」と決めるとしんどくなるので、気が向いたときや、後から見返したいメモがあるときにだけ、書き残すスタイルにしています。

ちなみに、このExcel入力をサポートしてくれる強力な相棒が「Google Mapのタイムライン」機能です。自分がいつ、どこにいたのかを自動で詳細に記録してくれるため、「一昨日のお昼すぎってどこにいたっけ?」と迷ったときは、いつもこのタイムラインを見返してExcelに転記しています。

記録の事例
記録の例

ここでご紹介した時間管理ツール(Excelシート)を、こちらの特典パックに収録しています。

きっちり管理することのリスクと、長く続けるコツ

このような時間管理を始めてから、時間の使い方がとても上手になり、過去を振り返る楽しさも生まれました。ただ、こうした時間管理の提案には、ちょっとしたデメリットやリスクもあります。それは「きっちりやりすぎると、自分で自分を縛り付けてしまい、息苦しくなる」ということです。せっかく自由を求めてセミリタイアしたのに、分刻みのスケジュールに追われてストレスを感じてしまっては本末転倒ですよね。

だからこそ、私は「徹底的に完璧を目指さない」というマイルールを大切にしています。義務感に駆られてしまうと、記録すること自体が億劫になって、最終的に嫌になってしまいます。

そのため、記録をサボってしまったときは、数日分を後から「ええっと、何してたっけな」と思い出しながらまとめて書くことも日常茶飯事です。ときには、数日間まったく何も書かない白紙の期間があっても「まあ、そんな時もあるよね」と受け流し、また今日から再開すればいいや、というくらい気楽に構えています。

この「ゆるさ」と「適当さ」を残しておくことこそが、面倒くさがりな私でもこの仕組みを長く続けられている本当の秘訣なのかもしれません。もし皆さんのなかで、「セミリタイア後の時間がなんとなく消えていく気がする」と感じている方がいれば、まずは1日の色分け記録を、ノートやExcelでゆるく始めてみてはいかがでしょうか。毎日の景色が、少しだけ違って見えてくるかもしれません。

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