
法人の基本項目の設定
私の事例をイメージしやすいように、今後、以下のような架空の会社を設定して説明します。法人設立には、大体、このような項目の設定が必要になります。
法人名:合同会社せみりた(ゴウドウガイシャ セミリタ)
住所:〒123-4567 宝来県繁盛市大吉町5番地
連絡先:090-1234-5678
代表社員:せみりた 太郎(セミリタ タロウ)
生年月日:1965年1月1日
法人設立日:2022年4月2日
資本金:10万円
事業目的:
(1) インターネットを利用した各種情報提供サービス
(2) Webサイトの企画、制作、販売、運営及び管理
(3) EC(電子商取引)サイトの企画、制作、販売、運営及び管理
(4) 前各号に附帯又は関連する一切の事業
私の本業は、個人事業の方ですから、法人は、設立費用の少ない合同会社にします。事業目的は、皆さんの事業に合わせて書き換えて下さい。(4)の項目は決まり文句なので、必ず入れておきましょう。
設立日をいつにするか
法人の設立日は、一刻も早く設立したい場合を除いて、月の始め1~5日が良いと思います。その方が当月中に様々な申請を完了しやすいからです。
設立日を決めると、通常、設立日の前の月を決算月にします。ここで、注意したいのは、決算月が10~12月だと年度の感覚が実際とズレてしまうという点です。
例えば、決算月が11月の場合、2024年度が2024年12月1日から2025年11月30日になってしまいます。ほとんどが、2025年なのに2024年度というのは変ですよね。
良さそうなのは、1~3月が決算月ですが、1月は法人の年末調整と届出、2月は個人の確定申告があるので、これも避けた方が良く、残る3月が世の中の年度と一致して一番良さそうに思います。この場合、5月末までに決算を提出すれば良いので、十分余裕があります。
ただ、決算などを税理士さんに依頼するような場合は、1~6月は繁忙期なので避けた方がいいでしょう。
もし、やむを得ず、決算月が10~12月になってしまった場合は、一度前倒しで決算をすることで、決算月を変更する(つまり、定款の事業年度の変更をする)ことも可能です。なお、事業年度の変更のために再度登記申請をする必要はありません。
資本金をいくらにするか
資本金の額は、定款に記載するので、会社設立前に決めておく必要があります。制度上は、1円からでも会社は設立できますが、一般的には、会社の信用を得るために100万円以上が適切な資本金と言われています。
私の場合、あまり法人にお金を注ぎ込みたくはなかったので、10万円にしました。しかし、今から思えば、実際に投入している資金は100万円を優に超えているので、100万円でも良かったかなと思います。10万円でも銀行口座は開設できましたので、特に問題はありません。
資本金の入金
設立日前に、自分の口座に資本金を振り込み、その日の銀行の入出金明細を印刷しておきます。私の場合、殆ど使っていなかったPayPay銀行の口座を使いました。(PayPay銀行は後に解約)
なお、資本金の振込記録のために、わざわざ新しく口座を開く必要はありません。しかし、最近は、マネーロンダリング対策で法人口座開設の審査が厳しくなり、場合によっては、法人口座が開設できないままの状況が続くこともありえます。
そのような場合、当面、個人口座を法人口座のように扱って使わざるを得ないので、心配な方は「個人で」新規口座開設をした方が良いと思います。銀行口座については、また別の記事で詳しくご説明します。
役員報酬の決定
「手取りを最大化する社保のバグ」の記事にも書いた通り、私は、役員報酬を1.5万円/月に設定しています。この金額は、社会保険料の算定基準になるので、非常に重要な金額です。
協会けんぽの都道府県毎の保険料額表が、こちらに掲載されていますので、役員報酬を、最低ランクの社会保険料になる1等級の報酬月額にして下さい。
マイクロ法人を活用して社会保険料を「最低(ミニマム)」にするための役員報酬月額は、ズバリ「45,000円」が定石とされています。給与所得が、給与所得控除の額とほぼ同額になって、所得税・住民税がゼロになるからです。
ただ、他にアルバイト等で給与所得がある場合は、給与所得が合算されますので、この合計給与所得が給与所得控除額とほぼ同額になるように役員報酬を決めます。私の場合、バイトで給与所得があるため、法人からの給与は手取りが数千円になるよう、15,000円にしています。
そもそも、社会保険料を削減するためにマイクロ法人を設立するのですから、ここを間違えては元も子もありません。控除については、「ほぼ無税で暮らす控除の活用術」の記事で詳しく説明していますので、こちらも合わせて御覧ください。
「Money Forward会社設立」を使うと、簡単、無料!
「Money Forward会社設立」は神サービスです(freeeなども同様のサービスあり)。ほとんどの申請書類を作ってくれて、無料ですから、これを使わない手はありません。
電子定款の作成もここで申し込みます。手数料は、当時¥5,000でした。定款の雛形は既にあるので、私は変更を加えず、雛形そのままの定款にしました。特に問題はないと思います。また、電子定款は、定款データをCD-R等に記録して提出しないといけませんので、注意してください。
一連の登記準備は、このサービスの手順に従って必要書類を作成、取得すればOKです。また、どこへ行くべきか、必要な持ち物は何かなども指示してくれます。ここまで、会社設立の環境整備が進んでいるとは、驚きですね。

各申請での注意点
【年金事務所】
扶養親族がいる場合、新規適用届の他に、健康保険被扶養者(異動)届と被保険者資格取得届が必要です。これらは、日本年金機構のホームページからダウンロード可能です。
私の場合、妻にも収入があるので、被扶養者の要件を満たしていること(いわゆる130万円の壁)を証明する必要がありました。被扶養者の雇用契約書や業務委託契約書に加えて、給与明細書や支払調書も準備しておきましょう。
年金事務所での手続きは結構面倒なので、会社設立前に一度相談に行くと良いと思います。相談だけでも、結構、親切に対応してくれます。
【税務署】
青色申告の承認申請書は必ず、提出します。これを出しておかないと、最大10年の損益通算、少額減価償却資産の特例などのメリットが使えません。
また、源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書も必ず、提出します。これで、毎月納付すべき源泉所得税を「年2回」にまとめて納付できるようになるため、届出の手間を減らすことができます。
※このスキームには前提があります。「はじめに」も合わせてお読み下さい。

